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『夜の森』
淵上熊太郎
[ISBN978-4-8120-1874-3]

うまく言い表わせないのですが、安心感のようなものを覚えました。
自分は子供の頃から日常生活の中でたまに現実が何通りか存在しているような感覚(錯覚?)を得ることがありました。いくつかのバージョンの現実を行ったり来たりしているような気分になることがあり、いつも混乱するのですが、楽しく感じることもあります。同時にこれが世界の本来の姿なのかも知れないと思ったりしました。
この喩え難い感覚で体験する空間と同じものが、作品の中には広がっているように感じます。それが独特の安心感を与えてくれているのかも知れません。

作品の魅力と電子書籍としてのおもしろさが見事に一体化していると感じました。
描かれている世界観や動きをさらに増幅させる文字の動き、自然に頭の中に染み込んでくる音楽、そして淵上さんご自身の声が、作品の奥深さおもしろさを深めていると思いました。立体的なエンターテイメントですね。
行ごとの動き、レイアウト、フォントの選び方、カラーリング、音楽、時間の管理など、一つ一つの要素が、デザイナーが作品を良く理解した上で作られていると思いました。丁寧ですね!
(広告代理店勤務 アートディレクター 近藤潤一)
登録日: 2011/04/08 投稿: 近藤 潤一様

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