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『歌と彷徨 1 』
中上哲夫
[ISBN978-4-8120-1946-7]

 ブルースを奏でるピアノに重なって聞こえる中上さんの声ってとても心地いい。「縦書きの詩は雨のように思われた」とその声が語るときには画面の文字は雨のように滴り別の詩では夢のような表れ方をしてあのアメリカを語るのだ。そこにはいまの強権的な、かの国の印象は微塵もなく、かつて私さえ憧憬を抱いたそのままの国の色彩と香りが詩人の言葉による透視画法で描きだされ、なつかしさに胸が痛くなってくる。その懐かしさに酔う。
登録日: 2012/02/16 投稿: 館 路子様

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